ルカのトレードのせいで今年のTDL(トレードデッドライン)の目玉になるはずだったバトラーの話題はかき消された感がありますが、バトラーが遂に動きました。
このトレードを指名権、選手、チーム状況という3つの要素から分析していきます。
トレードの詳細
5チームが絡んだトレードで内容は
ウォリアーズ
・ジミーバトラー
・2巡目指名権×2(ヒート) いつのかは不明
・金銭
ヒート
・アンドリューウィギンス
・カイルアンダーソン
・デイヴィオンミッチェル
・2025 1巡目指名権(ウォリアーズ トップ10プロテクト)
ジャズ
・KJマーティン
・ジョシュリチャードソン
・2028 2巡目指名権(シクサーズ)
・2031 2巡目指名権(ヒート)
・金銭
ピストンズ
・デニスシュルーダー
・リンディウォータースⅢ
・2031 2巡目指名権(ウォリアーズ)
ラプターズ
・PJタッカー
・2026年 2巡目指名権(ヒート)
・金銭
となっています。ややこしすぎる。
ウォリアーズ目線で要約すると、
アンドリューウィギンス、カイルアンダーソン、デニスシュルーダー、リンディウォータースⅢと2025の1巡目指名権でジミーバトラーと2巡目指名権を獲得したという感じです。
指名権
まず指名権の動きを見てみます。
(指名権はプロテクトのせいで超複雑なので間違った情報が含まれているかもしれません。申し訳ない! フロントはどう管理しているのだろうか)
もともとウォリアーズは自前の1巡目をしっかりと確保しているチームでした。
2025から2029までは完全な指名権で2030年をトップ20プロテクトとガチガチのプロテクトがかかっています。
今回のトレードで1枚失ったわけですが、2025の指名権1枚のみで、しかもトップ10プロテクトをかけて対価にできたのはそこまで悲観することでは無いと思います。
理由はいくつかあります。まず今のロスターを見てみると、
ポジェムスキー、クミンガ、ムーディー、ギーサントス、ポスト、TJDと24歳以下の若手が6人もいます。
上級生指名だったポストとTJDのセンター陣を除くと全員22歳以下。
いくら2025が豊作といえどもけっこう若手はいっぱいいっぱいなんです。
若手を更に加えるならロスターの整理は必須になってきますが対価になりそうなのがクミンガしかいません。
結局バトラーを取りWin Nowの動きをしているのだから、指名順位も相当下。だから中途半端な若手はいらないというわけです。
HCのスティーブカーは若手を全然使いませんからね!
さらにもし怪我などでうまくいかずプレーインにも出れなくても、ワンチャントップ10なら入れるかもしれません。うまくいかないときの保険も一応あるんです。
こう言われてみると1巡目指名権1枚というのはそこまで大きな対価ではないと思いませんか?
一応2巡目ももらっているので(多分プロテクト付き?)そこで指名することも可能です。
選手
ウィギンス
KD脱退、されにクレイの怪我と絶望的な状況からトレードで加入しチームを支えてくれていたウィギンスがトレードされました。
ウィギンスはファンに愛されていた選手で貢献度も高かったので、ありえないという意見をよく見ました。
しかし、よく考えてみるとスター選手を獲得するにはウィギンス放出は不可避でした。
まずウォリアーズのフロントには、
「優勝も目指すし若手の育成もする」という強欲な壺もびっくりな理念があります。
KDやヤニス、ルカなどの一部のスーパースター以外とのトレードではおそらくクミンガを筆頭とした若手は出す気がない。
そうなるとサラリー的に26mのウィギンスか、24mのドレイモンドか放出確定です。実際、ドレイモンドのトレードを視野に入れているという報道はありました。
ここで、この2人どちらかを選ぶとなったときに決め手となったと思うポイントが、タイムラインとクミンガとの相性問題です。
さっき書いたようにこのチームには今後の核になりそうな若手が6人もいます。
一方でカリーと近い時期に引退しそうな選手も結構います。
カリーは36歳なので今の契約が終わればおそらく引退、すくなくとも第一線からは引くでしょう。ドレイモンドも34歳、ヒールドも32歳です。
そんな中、ウィギンスは29歳。絶妙に真ん中にいます。
ベテランの最後の優勝への挑戦、そして一瞬で再建してまた優勝争いというシナリオをに少し邪魔な年齢です。
そしてクミンガとの相性については、クミンガはフィジカルを活かしたインサイドや、スピードを活かしたドライブが強みのプレーヤーですが、
ウィギンスもポストアップからの得点やジャンプ力を活かしたフィニッシュなどインサイドに強みがあります。
絶妙にプレイエリアが被っています。
スタッツ的には、ウィギンスとクミンガが同時起用された時間は333分あり、OFFRTGが106.7、DEFRTGが105.9です。
ウォリアーズ全体のOFFTRGが112.2、DEFRTGが112.0です。
ディフェンス的にはフィジカルのあるウイングを2人並べるのは利点があったのかもしれませんがオフェンス的には微妙だったのかもしれません。
カーから謎に干されていました。本人にとっては良い移籍だったかもしれません。
カイルアンダーソン自体に問題はなかったのですが、チームとのかみ合わせがすこし悪かったという印象です。
あとでも書きますが、シューター不足というチーム状況の中ノンシューターであるカイルアンダーソンを使い続けるのは難しかったのではないかと思います。シックスマンのクミンガがノンシューターなのでクミンガとの相性も悪いのです。ドレイモンドの控えとしては完璧だったんですけどね。いい選手でなのでもったいない。個人的にすきな選手なので悲しい。
デニスシュルーダー
個人的に一番ショックなのがシュルーダーのトレードです。
ウォリアーズ公式が、ウィギンス以外の選手をひとまとめにして退団のお礼投稿をしたことに対して、
「まとめられるほどの貢献度だったってことかよ? まあでもこちらこそありがとね」
とコメントしています。(このコメントは後に削除されています)
しかも、自分のインスタのウォリアーズに関する投稿を全部消してます。
家族もNYから移住したばっかりなのに...
私がトレードしたわけじゃないけど申し訳ない気持ちでいっぱいです。
メルトンが全休の大怪我をしてしまい、ハンドラーがカリーとポジェムスキーのみ。しかも、ポジェムスキーが絶不調という絶望的な状況を改善してくれました。
2ヶ月しかいませんでしたが確実に貢献していました。
しかし、正直ウォリアーズの戦術には合っていませんでした。
まず3Pを打ち切らないことがたまにあります。スラッシャーだし3Pが強みではないなのでそんなもんなのかな。
ウォリアーズには強いセンターがいないのでピックアンドロールもあまり使えません。インサイドのフィニッシュ力が全員乏しい。
そもそもシーズン途中のトレードはウォリアーズはここ数年避けていました。なぜなら、ウォリアーズのシステムに簡単には適応できないからです。
慣れない中でよくやったほうだと思います。
彼の強みをチームにはめこめなかったコーチ陣の失敗だと私は思います。
リンディウォータースⅢ
貴重なシューターでした。ディフェンスもそこまで悪くはないと思います。
DEFRTGは110.2。フィジカルは無いがIQでカバーしていた印象です。
彼の問題は3Pの確率です。
10月: 47.1%
11月: 31.1%
12月: 26.3%
1月: 35.4%
とスケジュールが厳しかった11月、12月に全く入らず。最初のほう以外は微妙でした。
シュート以外に強みが無いのでシュートが入らないと厳しいという感じ。
同じような境遇のヒールドもいますし。
チーム状況
みなさんご存知のとおり、シーズン序盤は12勝3敗の記録を残し、一時期はOKCより上のウエスト1位の座にいたウォリアーズ。ウエスト1位だったのは数日だけですけどね。
あれだけ12人ローテだ13人ローテだと時代の先を行っているような雰囲気を見せていたのになぜ勝率5割の平凡チームとなったのか。
シーズン序盤のバスケは、それはそれは見事でした。
ヒールドの調子がよく、平均20得点超え。
チームとしても王朝時代のバスケが戻ったかのような美しいボールムーブメントからの3Pやカッティング。
本当に美しかったのを今でも忘れません。
どれほどすごかったかというと、ドレイモンドやカリー抜きでも普通に勝てていました。
もはや伝説のような扱いを受けているメルトンも怪我でシーズン序盤は出ていませんし、そもそも6試合しかでていません。
誰がでても勝てる、すごいバスケです。
だからこそ多人数ローテが上手くいったのです。
ロスターの層も厚い。
ですが、だんだんと狂いはじめます。
王朝時代、困った時にシステム外から得点できるKDを求めたように、システムが対策されたときの解答が無かったんですよね。
ウォリアーズの戦術って王朝時代にとっくに対策はねられていると思います。
だから常に上手くいくわけではないのです。
ネッツ、スパーズに2試合連続で4Qで逆転敗北し完全にチームが崩壊します。
そのスパーズ戦以降、スケジュールが地獄でプレイオフチームばかりと戦い、撃沈...。
ここから貯金がすべてなくなるあの地獄の期間が生まれたわけですよ。
カリー、ウィギンス、クミンガのアイソに頼ることが増えボールムーブメントが少し阻害されます。
序盤にあんなに輝いていたヒールドは沈黙...。
カッティングが決まることもマジで少なくなりました。
結果どうなったかというとカリーのワンマンチームになります。
期待のクミンガも怪我で1ヶ月以上離脱が確定。
という最悪の状況でした。
カッティングが決まることが少ない、と言いましたがそれもそのはず。シューター陣(カリー以外)はカッティングの回数もすくないのに、そもそも2Pの確率が悪すぎる。
ドレイモンドもしょっちょう外します。
しかもしかも、極めつけにはウォリアーズはフリースローが30チーム中最も下手なチームです。
どうなってんだと。
世界一美しいバスケをしていたチームがたった数ヶ月で普通のチームに、しかも2Pとフリースローが弱点のチームへと変わってしまいました。
2Pとフリースローが弱いので安定して点を取ることができません。だからしょっちょう接戦になります。
なぜならリードを守りきれないからです。ファンからは点差の溶かし芸と呼ばれています。
試合がクラッチタイムに突入した回数は全チーム中2位(1位はウルブズ)。
全試合の6割でクラッチタイムになっています。
そして、安定して点を取れないのでリードされているときに上手く追いつけません。
3Qにウォリアーズがリードしていないときは1勝20敗です。
あと数点というときに点を取りきれないシーンが見てて目立ちます。
ロスターの層の厚さでどうにかしろよ、と思われる方もいるかも知れません。
ですが、ウォリアーズのロスターは本当に層が厚いのでしょうか。
確かに、ローテーションに入れるプレーヤーがベンチに何人もいましたが、チームの序列が8位9位ぐらいの選手が大量にいるだけでは...?
コーチも選手も口を揃えて、選手層が厚い厚いと言い続けてましたが、冷静に考えれば普通にタレントが揃ってなさすぎる。
5番目にサラリーが高い選手が9mのGPⅡでした。
結局、選手を使い切れないのだからロスター整理は必須だったんです。
つまりまとめると
①2Pとフリースローが弱い
②安定した試合ができない。接戦が多い。逆転はされるが、逆転はできない。
③選手が多すぎるので整理が必須
④スターパワーが圧倒的に足りてない
これってバトラー(or KD)で解決やん!!!
だからKDを狙いに行ったし、次にバトラーに行ったし、もしバトラーが無理ならイングラムを取りにいこうとしてたのです。
まとめ
3つの要素から見ると、以外と悪くないと思えませんか。
若手を残しながら優勝も狙いに行くという一貫した姿勢が見えると思います。
トレードを知った直後は、焦ったな、負けトレードだなと思ったのですが冷静に考えるとそうでもないように私は思えてきました。
オールスターブレーク後はクミンガも帰って来ますし、日程も他の西のライバルと比べると楽なので、意外と順位をあげるかもね。